【フランス】地理の特徴は?気候や工業、文化などについて解説!

フランスはヨーロッパでは数少ない日本より面積の広い国で、EUで中心的な役割を果たす一方、国連安全保障理事会の常任理事国でもあるヨーロッパの大国です。

 

そんなフランスについて、文化、気候や産業について地理的特徴をまとめていきます。

フランスの国土と住民

フランス本土の面積は約55万㎢と日本の1.5倍の面積があり、北緯50度の緯線が通るイギリス海峡をはさんでイギリスと向かい合っています。

 

本土の人口は約6500万人とロシアを除いたヨーロッパの中ではドイツ、イギリスに次ぐ規模になっており、住民はラテン系に属するフランス人が主体で、カトリック教徒が約3分の2と多数派です。

 

移民の数も約400万人と多く、その多くがかつてフランスの植民地であった北アフリカのマグレブ諸国、すなわちアルジェリアやチュニジア、モロッコからの移民です。これらの移民は社会階層的には低い立場に置かれ、賃金格差や就職差別、失業率の高さなどが社会問題化しています。

フランスの気候は穏やかな西岸海洋性気候と温暖な地中海性気候

フランスの大部分はイギリスと同様に偏西風の影響を受け、夏は冷涼で冬でも温暖な西岸海洋性気候で穏やかな気候ですが、島国のイギリスとくらべるとやや大陸性気候の特徴が表れ、パリの気温もイギリスのロンドンとくらべ夏は暑く冬は寒くなります。

 

一方、紺碧海岸を意味するコートダジュールを中心にした南部の地中海沿岸は文字通り地中海性気候になり、冬でも温暖なことはもちろんですが、夏はかなり高温になり降水量が少なく乾燥するのが特徴です。

バカンスはフランスの休暇文化

フランスでは温暖な地中海沿岸を中心に大西洋岸も含めて、夏の休暇をとってバカンスの大移動が起こるのが習慣化しています。中でも地中海沿岸南東部のコートダジュールはカンヌやニースといった保養地が有名ですが、ここには多くのリゾートホテルが建ち並びフランス以外からも多くの観光客が訪れます。

 

また、220kmも砂浜海岸が続く地中海沿岸南西部のラングドックルシヨンも、近年ではリゾート地として人気が高まり、同じように多くの人がバカンスに訪れる場所として有名です。

 

このように温暖なリゾート地で、長い休暇をとってバカンスを堪能するフランスならではの文化は、短いお盆休みの日本とはかなり違っています。

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小麦を輸出する農業大国フランス〕

国土のほぼ全体が北緯50度以南に位置するフランスは、かつての氷河時代にも氷河におおわれることはありませんでした。そのため土地の条件は良く、北部のフランス平原を中心に農業生産が多くなっています。小麦の生産高は世界第6位(2016年)で、自給できることはもちろんのこと多くを輸出しており、輸出高でも世界第4位(2016年)です。

 

他にもテンサイや大麦が世界的な生産をあげ、それらの作物を飼料にして家畜を飼育しする混合農業がさかんです。また、北部で生産の多いチーズや中・南部で栽培がさかんなブドウも世界的で、フランスはEU最大の農業大国になっています。

EUではドイツに次ぐ工業国

フランスは生産の多い農産物を背景にワインをはじめとする食品工業がさかんですが、重工業では北東部のロレーヌ地方で豊富な鉄鉱石を背景に石炭をドイツから輸入して鉄鋼業が発達しました。しかしヨーロッパ最大を誇ったロレーヌ鉄山も今では閉山し、鉄鉱石は100%海外依存になっています。

 

そのため、現在では輸入港に近い臨海部にコンビナートができ、ドーバー海峡に臨むダンケルク、セーヌ川河口のルアーブル、ロアール川河口のサンナゼール、地中海に流れ込むローヌ川河口のフォスなどが代表的な工業都市になっています。地中海沿岸のフォスやその近くの歴史ある港町マルセイユでは石油化学工業もさかんです。

 

アルプス山脈北西麓のローヌ川河谷に位置するリヨンでは伝統的に絹織物工業がさかんで、南西部のトゥールーズにはEUの国際分業システムによるエアバス社の航空機組立工場がある他、パリには自動車工業も発達しています。

 

なお、トゥールーズやフォス、マルセイユを含む南部地域は、西はスペインのバルセロナ、東はイタリアのジェノバへと続いてヨーロッパのサンベルトと呼ばれ、地中海沿岸の温暖な先進工業地域になっています。

 

全体としてフランスはEU内でドイツに次ぐ工業生産をあげています。

原子力発電の国フランス

フランスはエネルギーに関して、世界で最も原子力発電の比率が高い国として知られます。原子力発電による発電量はアメリカ合衆国に次いで世界第2位(2015年)で、国内発電量の比率では原子力が77.0%、水力が10.4%、火力が7.5%になっています。

 

この原子力の発電比率77%という数字は世界第1位で、比率的にも断トツの数値になっており、余剰電力を近隣諸国に供給する電力輸出国でもあります。

フランス地理要点まとめ

  • 国土は日本の1.5倍、人口は日本の約半分で、ヨーロパでは数少ない日本より国土が大きい国。
  • ラテン系のフランス人が主体だが、旧フランス植民地の北アフリカマグレブ諸国からの移民も多い。
  • 国土のほとんどは西岸海洋性気候だが、南部地中海沿岸は温暖な地中海性気候。
  • コートダジュールなどリゾート地へのバカンスはフランスに根付いた休暇文化。
  • 世界上位の生産、輸出を誇る小麦をはじめとするEU最大の農業生産国。
  • 臨海部のコンビナートをはじめ、EUではドイツに次ぐ工業生産をあげる。
  • 原子力発電の国として知られ、国内発電量における原子力発電の比率が圧倒的に高い。

 

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