【スペイン】地理の特徴は?気候や家、文化などについて解説!

南ヨーロッパに位置するスペインはヨーロッパでは数少ない日本より面積の広い国で、イベリア半島の大部分を占めています。大航海時代にはアメリカ大陸をはじめ多くの植民地を形成して繁栄し、現在も中南米諸国の多くはスペイン語圏になっています。

 

そんなスペインについて、気候や文化、産業などについて地理的特徴をまとめていきます。

スペインの国土と住民

スペインの面積は約50万㎢と日本より広く、フランスとの国境に続く険しいピレネー山脈の南西側に位置して、国土の大半に広大なイベリア高原が広がっています。この高原はスペイン語ではメセタと呼ばれ、平均の標高が約700mで西の隣国ポルトガルへと続いています。

 

北西部ガリシア地方の海岸は典型的なリアス式海岸になっており、入江を意味するスペイン語の「リア」がこの海岸地形の名称の由来なのです。

 

人口は約4600万人で、ラテン系のスペイン人が主体ですが、地中海沿岸のフランス国境に近いカタルーニャ地方や北部ビスケー湾のフランス国境に近いバスク地方では分離独立運動の動きがあります。

カタルーニャ人は同じラテン系ですが、カタルーニャ語はスペイン語よりむしろフランス語に近い言語になっています。一方バスク人は歴史の古い民族で、バスク語は全く独自の言語系統に分類されます。日本へ最初にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルも実はこのバスク人です。

スペインの気候は地中海性気候が中心

スペインの気候区は、大西洋に面した北部に穏やかで年中降水のある西岸海洋性気候が分布しますが、中部から南部にかけてはほぼ地中海性気候になります。中でも中央部の高原地帯は内陸性気候の特徴を示し、気温の年較差が大きく、降水量の少ない乾燥した気候になっています。

 

地中海沿岸部は典型的な地中海性気候の特色を持ち、夏は高温乾燥、冬は温暖で降雨のある気候です。中央の高原地帯に位置する首都のマドリードの1月の平均気温は約6℃ですが、地中海沿岸のバレンシアでは約11℃と大きな差があります。

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地中海沿岸は白い家が特徴的

引用:https://wakuwork.jp/archives/28483

スペインの民家を見てみると、北部の家は石造りで南向きが多く、年中降水があるので屋根の傾斜も大きくしてあります。これに対して降水量の少ない地中海性気候の地域では同じ石造りですが、屋根の傾斜は小さくなり、特に日差しが強い地中海沿岸では窓が小さく、光を反射させる白壁の家が多くなります。

 

南部アンダルシア地方の家並みは、白い村と呼ばれるように太陽の光を浴びて家々が白く輝いて見えます。そして家屋に囲まれたパティオと呼ばれる中庭があるのが特徴です。そこには小さな池が作られたり、花が植えられたりして暑さをしのぐ憩いの場になっているのです。

 

このパティオを持つ建築様式は、8世紀から15世紀にかけてイベリア半島を支配したイスラムの影響によるもので、砂漠の気候に対応したイスラムの建築様式が用いられて、現在まで残っているのです。

スペインに根付くシエスタ文化

シエスタとはスペインの習慣として根付いている昼の休憩文化です。日中に気温が上がって暑くなるスペインでは、メインの食事となるランチをゆっくりと時間をかけて食べた後に、1時間以上の休憩をとります。すなわち暑い昼の時間は仕事を避けて、昼寝や休憩に当てるわけです。

 

このシエスタの時間帯は街中でも飲食店以外は店が閉まっていることも多いのです。そして、仕事を再開するのは午後4時以降が一般的です。日没が遅いので仕事も夜にかけて続き、夕食が夜の10時頃というのが通常です。

 

しかし、このシエスタの文化も、生産的に非効率であるという考えから他の国と同じような時間配分で仕事をして、昼の休憩も短くするべきだという意見が浸透してきています。そのため現在では、公務員のシエスタは廃止され、都市部を中心にシエスタの文化が無くなりつつありますが、地方ではまだまだこの習慣は続いています。

オリーブ・ワインの生産が多い地中海式農業

地中海性気候が広く分布するスペインでは農業も気候の特色に応じた地中海式農業が行われています。夏の乾燥に強いオリーブやブドウ、柑橘類の生産が世界的で、オリーブは世界の約3分の1の生産をあげて第1位(2016年)です。

 

ブドウやオレンジ、レモンの生産も世界の上位で、ワインの生産はイタリアやフランスと世界一を競っており、中央部のメセタと呼ばれる高原から流れ出る河川の谷間を中心にブドウ畑が広がっています。オレンジは地中海沿岸のバレンシアが産地として有名です。

 

メセタの高原では乾燥に強い羊の飼育が伝統的にさかんですが、スペイン全体で飼育頭数の多い家畜は豚で、豚の頭数と豚肉の生産はともに世界第4位(2016年)です。スペイン西部で飼育される黒豚のイベリコ豚は日本にも輸入され、その味が評判になっています。

ヨーロッパでドイツに次ぐ自動車生産国

スペインはヨーロッパではドイツに次ぐ自動車生産国で、世界でも第8位(2016年)です。フランスやイギリス、イタリアを上回る生産を上げているのは賃金の低さに要因があります。スペインは1986年にEC(現在のEU)に加盟しますが、ドイツやフランスなどの自動車メーカーが労働コストの低いスペインに生産拠点の一部を移したことでスペインの自動車工業が発展したのです。

 

生産の中心はカタルーニャ州のバルセロナで、現在でも生産された車の約8割が輸出されており、スペインの輸出品の第1位になっています。

スペインの地理要点まとめ!

  • 面積は50万㎢と日本より広く、ピレネー山脈の西にメセタと呼ばれる高原が広がる。
  • 北西部の海岸は典型的なリアス式海岸で、地形名称の由来になったリア(入江)が連続して分布する。
  • フランス国境に近いカタルーニャやバスクでは独立運動の動きがある。
  • 北部に西岸海洋性気候、中部に内陸性気候が分布するが、南部は典型的な地中海性気候。
  • 日差しの強い地中海沿岸には、窓の小さい白壁の民家が多く、パティオ(中庭)に特徴がある。
  • 日中に気温が高くなるため、シエスタと呼ばれる昼の休憩文化が根付いている。
  • 乾燥に強いオリーブ、ブドウ、オレンジなどの生産が世界上位で、イベリコ豚が有名な豚肉の生産も多い。
  • バルセロナを中心にした自動車工業はヨーロッパではドイツに次ぐ生産で、スペイン最大の輸出品。

 

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