【インド】地理の特徴は?気候や産業、農業などについて解説!

南アジアに位置するインドは面積では世界第7位、人口は世界第2位の大国です。第二次大戦後の1947年にイギリスの植民地から独立し、現在では経済発展の著しい新興国の一つになっています。

 

そんなインドについて、民族や気候、農業や工業などの産業について地理的特徴をまとめていきます。

インドの国土と地形

インドの国土面積は世界で7番目に大きく329万㎢と日本の9倍弱の大きさがあります。北部はヒマラヤ山脈が隣国ネパールにかけて連なり、そのネパールの南部には大河のガンジス川が流れるヒンドスタン平原が広がっています。そして平原の南にインド洋へ向かって突き出しているのが広大なインド半島です。

 

大きなインド半島は東西の端に山脈がありますが、それらにはさまれた中央部にはデカン高原が広がっています。このデカン高原の北西部一帯は溶岩台地という火山地形の一種で、太古に複数の河口から噴き出した玄武岩質の溶岩が連なって形成されたものですが、風化した土壌は肥沃な黒色土となって分布しています。

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多様なインドの民族と宗教

インダス川流域(現在のパキスタン)には古代文明のインダス文明が栄えますが、紀元前1500年頃に北方からそこに進出してきたのがインド・アーリア人でインダス文明を築いた先住民を征服して農耕や牧畜生活を始めます。このインド・アーリア人が現在のインド人の主体で人種的にはヨーロッパ人種になります。

 

現在の人口は世界第2位で13億人を超え、中国と並ぶ超人口大国ですが、民族構成ではインド・アーリア系が約4分の3を占め、残りの4分の1が先住民のドラビダ系の人々で主に南部に居住しています。このように2分されるインドの民族ですが、アーリア系、ドラビダ系のそれぞれが多くの民族に細分化されて言語も異なります。

 

そのうち、憲法に記載された主要な言語は22を数えますが、実際に1万人以上の人が使う言語は100を超えると言われています。すなわち超多言語国家のインドですが、連邦公用語はヒンディー語でインドの約4割の人が話す最も中心的な言語です。

 

長らくイギリスの植民地であった影響で英語も準公用語に指定され、インドの約1割強の人が各民族語と英語のバイリンガルと言われています。なお、インドの紙幣にはヒンディー語と英語が表面に、それ以外の15の言語が裏面に記載されており、インドが多言語国家であることを示しています。

 

一方、宗教を見るとインドの宗教と言われるヒンドゥー教が8割を占めますが、イスラム教徒も約14%と2億人弱もいます。残りの少数派としてヒンドゥー教とイスラム教を折衷したシーク教、インドで発生した仏教の他、ジャイナ教やキリスト教徒もおり、宗教も多様性に富んでいますが、しばしば宗教間の対立で問題が発生することもあります。

モンスーン気候の国インド

インドの気候区分を見ると、沿岸部やデカン高原東部に熱帯が広がりますが、ガンジス川中流・上流部は温帯になっています。そして西部は乾燥気候になっておりパキスタンとの国境付近には大インド砂漠と呼ばれる砂漠もあることに注意して下さい。

 

実際には、国土のほとんどがモンスーン(季節風)の影響を受ける国で、夏にはインド洋から南西モンスーン、冬は大陸内部から北東モンスーンが吹きます。湿った風を運んでくる夏のモンスーンは多量の降水をもたらし、インド西岸やヒマラヤ山麓は特に大量の雨が降ります。

 

インドの雨季は夏のモンスーンが吹き始める6月から始まるため、その直前の4~5月が最も暑くなり「暑季」と呼ばれています。モンスーンが吹くと降水によって気温が緩和されるためで、首都デリーやムンバイ、コルカタなどインドの主要都市の月別の平均気温も、日本のように8月ではなく5月が最高になっています。

 

モンスーンに支配されるのがインドの気候を見た場合の最大の特色で、大きく雨季と乾季に2分されますが、降水が少なく気温も下がる乾季がインド旅行には適することになり、11月~2月がベストシーズンです。

農業大国のインド

国土が広く気候も多様性があるインドでは多くの農産物が世界上位の生産をあげており、ガンジス川下流域を中心に栽培されるや、インダス川上流のパンジャブ地方を中心に栽培される小麦はいずれも中国に次いで世界第2位(2016年)です。

 

デカン高原のレグールと呼ばれる玄武岩の風化した肥沃な土壌に恵まれて生産の多い綿花や、夏の降水量が非常に多いヒマラヤ山麓のアッサム地方で栽培されるはいずれも世界的な生産で、インドの重要な輸出品です。

 

ガンジス川中流域に多いサトウキビや、下流のデルタ地帯に多い麻の繊維が採れるジュート(黄麻)も世界的な生産をあげる他、バナナ(世界第1位:2016年)やオレンジ、野菜など世界上位の生産物が多数あります。

 

牛を神聖視するヒンドゥー教の影響で牛の頭数も多いインドですが、ヒンドゥー教徒以外の人しか食べない牛肉の生産は世界的ではありません。しかし、牛乳やバターの生産は世界的で多く消費されています。

経済発展の著しいBRICSの一つ

デカン高原で生産される綿花を利用した綿織物や、北東部の石炭、鉄鉱石の産地に発達する鉄鋼業は以前からインドの工業の中心としての役割を果たしています。

 

近年は、アメリカの会社と連携するコンピューターソフト開発などのIT(情報技術)産業の発達が著しく、英語を話せる人が多いのもその要因の一つです。南部の高原地帯にあるバンガロールは先端技術産業が集積し、インドのシリコンバレーと呼ばれています。

 

その結果、経済発展をとげたインドはブラジル、ロシア、中国、南アフリカ共和国とともにBRICSと呼ばれる新興国の一角に数えられているのです。

インドの地理要点まとめ

  • 北部のヒマラヤ山脈、ガンジス川流域のヒンドスタン平原、デカン高原が広がるインド半島に区分される。
  • 13億人を超える人口の約4分の3はヨーロッパ人種のインド・アーリア系、4分の1が先住民のドラビダ系。
  • アーリア系、ドラビダ系の多民族、多言語国家でヒンディー語が連邦公用語になり、英語は準公用語。
  • ヒンドゥー教が8割を占めるが、イスラム教徒やシーク教徒との対立がある。
  • 熱帯、温帯、乾燥気候が分布するが、全体としてはモンスーンの影響が強く雨季と乾季がはっきりしている。
  • 米や小麦の主穀物、綿花やサトウキビ、茶、ジュート(黄麻)と産地が分かれ、いずれも世界的生産。
  • ヒンドゥー教で神聖視される牛の頭数が多く、バターや牛乳の生産は世界的。
  • 綿織物や鉄鋼の生産が世界的な他、IT産業も発達して経済発展が著しく、BRICSの一角に数えられる。

 

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