中学地理分野で自然環境の地形の学習をしていると、リアス式海岸という言葉がよく出てきます。
複雑な海岸線なんだけれど、世界地理では同じように複雑な海岸線でフィヨルドという言葉も出てきます。
まぎらわしいこの2つの海岸線の違いを、しっかり押さえておこう!
リアス式海岸は、起伏の多い山地が沈水した海岸で、もとの谷の部分に海水が侵入して多くの入江ができた海岸です。
フィヨルドは、氷河が侵食した大きな深い谷が沈水した海岸で、両側に断崖がそびえる入江が奥深く入り込んだ海岸線です。
日本にはリアス式海岸は多く見られますが、フィヨルドはありません。
【リアス式海岸】
起伏の多い山地が沈水した海岸で、もとの谷の部分に海水が侵入して多くの入江ができた海岸
【フィヨルド】
氷河が侵食した大きな深い谷が沈水した海岸で、両側に断崖がそびえる入江が奥深く入り込んだ海岸線
リアス式海岸の特徴と代表的な場所は
沈水海岸の一種であるリアス式海岸(リアス海岸)は、海沿いにある山地の部分が沈降したり、温暖化によって海面が上昇したりすることで、谷の部分に海水が侵入して多くの小さな入江ができた海岸です。
標高の高い部分は陸地として残り、岬を形成するので、入江と岬がくり返す複雑な海岸線ができるんだ。
リアス式海岸では、岬で風がさえぎられるので、波のおだやかな静かな入江になり、養殖場としてもよく利用されます。
山がちな日本では、三陸海岸や志摩半島、若狭湾、さらには長崎県北西部の九十九島など数多くの例が見られます。
外国ではスペインの北西部の海岸に典型的に見られ、リアス式海岸の名称はスペイン語で入江を意味するリアという言葉から付けられたんだ。
フィヨルドの特徴と代表的な場所は
リアス式海岸と同様に、山の谷が沈水した海岸線の地形にフィヨルドがあります。
では、リアス式海岸とどこが違うかというと
リアス式海岸の場合は川が作った一般的な谷が沈水するのに対して、フィヨルドは氷河が形成された山地において、氷河が侵食した谷に海水が侵入して入江ができます。
氷河の重みと圧力はすごい侵食力で、山の斜面をごっそり深く侵食して氷食谷という大きな谷を作ります。
谷の断面がU字型をしているので、U字谷とも呼ばれます。すなわち谷の両側が断崖になって、そびえている感じです。
というわけで、フィヨルドは両側に断崖がそびえる細長い入江が奥深く続いているのが特徴です。
かつて氷河に広くおおわれた地域に見られる海岸線なので、日本にはありません。ちなみに、日本では北アルプスなどの頂上付近にかつて氷河が存在し、その痕跡の地形がありますが、氷河は海までは到達しなかったんだ。
フィヨルドが見られるのは高緯度地方の海岸線に限られ、北ヨーロッパのノルウェー西岸が最も有名で、フィヨルドという言葉ももとはノルウェー語です。他にもアラスカや、南半球では南アメリカのチリ南部にもあります。
リアス式海岸とフィヨルドの違いまとめ!
それでは、最後にリアス式海岸とフィヨルドの違いをもう一度整理しておきましょう。
リアス式海岸は山地が沈水した海岸で、もとの谷の部分に海水が侵入して多くの小さな入江ができ、入江は波おだやかなため養殖場に適しています。
三陸海岸、志摩半島、若狭湾などに見られます。
フィヨルドは氷河に侵食された氷食谷(U字谷)が沈水した海岸で、両側に断崖がそびえる入江が奥深く続きます。
ノルウェー西岸やアラスカ、チリ南部の海岸などに見られ、日本にはありません。
地図帳でこれらの場所もしっかり確認しよう!
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