中学地理では畜産という言葉がよく出てきます。
「畜」は家畜の畜なので、家畜を飼育する産業という意味ですが、
日本地理でも、世界地理でも酪農という言葉も同じようによく出てくるね。
この2つの言葉の使い分けを間違わないようにしましょう。
畜産は、家畜を飼育して肉や乳、毛、皮などの家畜製品を生産する産業で、農業の一部門です。飼育するのは牛、豚、羊、鶏などの家畜になります。
酪農は、乳牛を飼育して牛乳などの乳製品を生産する、畜産の一部門です。飼育するのは乳牛のみか、乳牛中心になります。
つまり、酪農は畜産の一部ということになり、飼育する家畜もほとんど乳牛が中心になります。
次の例文を参考に、2つの言葉の違いを押さえましょう。
北海道の東部は、畜産の中でも特に酪農がさかんな地域です。
南九州の鹿児島県や宮崎県は、豚やブロイラー(肉用の鶏)を中心にした畜産がさかんです。
ちなみに、牧畜という言葉もありますが、これは主に牧場などを利用して家畜を飼育すること自体をさす言葉です。
畜産とは、家畜を飼育し、家畜製品をつくる産業のことであり農業の一種をあらわす言葉です。
一方で、酪農とは乳牛を飼育し乳製品をつくる畜産の一部門にあたる言葉です。
$$(酪農)\subset(畜産)$$
酪農のさかんな北海道
北海道は畜産がさかんですが、中でも東部の根釧台地は気候的に冷涼で、火山灰の積もった台地状の地形は農耕には向いていません。
気候が冷涼なことは、腐りやすい乳製品を扱う酪農には逆に有利な点になります。
北海道は、この根釧台地を中心に酪農が発達し、乳牛の飼育頭数は第1位で全国の半分以上を超えているんだ。
世界的にも、北ヨーロッパやアメリカの五大湖周辺など、冷涼な地域に酪農地域が発達しています。
そして、これは補足になるけれど、北海道は乳牛だけでなく肉牛の飼育頭数も実は1位なんだ。
北海道以外でも、観光地としても有名な小岩井農場がある岩手県の他、西日本も含めて、山岳地帯や高原地帯を中心に、すぐに消費地へ出荷できる大都市周辺などでも酪農が行われています。
鹿児島県と宮崎県は南九州の畜産県
一方、家畜でも豚とブロイラー(肉用の鶏)の飼育頭数が多いのが、南九州の鹿児島県と宮崎県です。
両方とも飼育頭数は、鹿児島県が第1位で宮崎県が第2位を占めており、鹿児島の黒豚は有名ですね。
さらにこの2つの県は、肉牛の飼育頭数でも北海道に次いで第2位と第3位で、まさに畜産県という感じです。
これには、米の栽培に向かない火山灰の積もったシラス台地の分布や山岳地帯の多い地形などが影響しています。
畜産、酪農違いまとめ!
それでは、最後に畜産、酪農の違いをもう一度整理しておきましょう。
畜産は、家畜を飼育して肉や乳、毛などの家畜製品を生産する農業の一部門。
酪農は、乳牛を飼育して牛乳などの乳製品を生産する、畜産の一部門。
数学が苦手な人には絶対おススメ!
ニガテな数学を基礎から見直しませんか??無料で基礎問題&動画講義をお届け!
今なら高校入試で使える公式集をプレゼント
数スタのメルマガ講座を受講して、一緒に合格を勝ち取りましょう!
コメントを残す