中学地理で日本地理の学習をしていると、農業の説明で促成栽培と抑制栽培という紛らわしい言葉が出てきます。
園芸農業で使われる、これら2つの言葉の違いをはっきりさせておくことが大事です。
促成栽培は、野菜や草花を温暖な気候や温室などを利用して、本来の収穫時期より早く栽培する方法です。
抑制栽培は、野菜や草花を冷涼な気候や温室などを利用して、本来の収穫時期より遅く栽培する方法です。
なお、促成栽培の「成」の字と抑制栽培の「制」の字は間違いやすいので注が必要だ!
成長を促す、早く栽培するのが促成栽培。
抑えて制止する、遅く栽培するのが抑制栽培。
それぞれ言葉の意味を理解しておこう!
促成栽培と抑制栽培の利点
促成栽培や抑制栽培は、野菜などを本来の旬の季節からずらして出荷することになりますが、このように旬の季節から外れて市場(しじょう)での商品の数が少なくなる時期を端境期(はざかいき)と呼びます。
作物本来の旬の季節に、ビニルハウスや温室などの施設を使わずに栽培することを露地(ろじ)栽培といいます。
その露地栽培の作物が出回らない季節、すなわち端境期に野菜などを出荷すると価格的に高くなります。
このように、作物の端境期に出荷して利益を上げることができるのが、促成栽培や抑制栽培の利点なんだ。
促成栽培の具体例
促成栽培の具体例としては、温暖な気候を利用して、本来夏が旬の野菜を早く出荷する例があります。
高知平野では、夏が旬のナスやピーマンを冬から春にかけてビニルハウスを利用したりして栽培し、出荷しています。
宮崎平野でも同じように、夏が旬のキュウリやピーマンを促成栽培で出荷しており、キュウリの生産は宮崎県が第1位になっているんだ。
抑制栽培の具体例
抑制栽培の具体例としては、冷涼な気候を利用して、本来冬から春にかけての涼しい時期が適している野菜を、夏に出荷する例があります。
中央高地の長野県やその県境に近い群馬県の高原地帯では、夏でも涼しい気候を利用して、レタスやキャベツを端境期の夏に出荷しており、高原野菜と呼ばれます。長野県はレタスの生産が第1位です。
また、愛知県渥美半島で行われている有名な電照菊の栽培も、本来日照時間が少なくなる秋が来ると開花する菊の花を、温室内の電球の照明を使って夜間に照らし、開花時期を遅らせて出荷するので抑制栽培の一種になるんだ。
促成栽培、抑制栽培違いまとめ
それでは、最後に促成栽培、抑制栽培の違いをもう一度整理しておきましょう。
促成栽培は、野菜や草花を温暖な気候や温室などを利用して、本来の収穫時期より早く栽培する方法。
抑制栽培は、野菜や草花を冷涼な気候や温室などを利用して、本来の収穫時期より遅く栽培する方法。
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