【中学公民】人権思想の発達と歴史まとめ!

”人権”

それは人々が生まれながらにして持っている権利です。

 

例えば、みなさんは生まれながらにして、

生きる権利を持っています。

あなたは誰からも勝手に殺されませんし、

もちろんあなたは勝手に誰かを殺してはいけません。

 

これは誰からも奪われることのない、

また誰も奪うことのできない権利です。

 

このように人が生まれながらにして持っている

なくなることのない権利のことを ”人権” と

私たちは呼んでいます。

 

ですが、この人権という考え方。

昔からずっとあったわけではありません。

 

では、どうして人権が考えられるようになったのでしょうか?

今回は人権の歴史について紐解いていきましょう。

 

人権思想が誕生した背景とは?

人権という考え方が広まるその昔。

世界の多くの国では、国王による国の統治が一般的でした。

つまり、国王が権力を持ち、誰も国王には逆らえない時代があったのです。

 

国王が、「お前なんとなくムカつくから国外追放な」と言えば、

それに逆らうことはできず、国民は従うことしかできませんでした。

 

このように王様がなんでも絶対的な権力を持っている、ということを

「絶対王政(絶対主義)」

と言います。

 

このような世の中にあって、人々は王様に怯えながら暮らすことも多かったとか。

そこで、人々は王様に対抗する手段を色々と考え出します。

 

1215年、イギリスでは「マグナ=カルタ(大憲章)」という文章が作られます。

これは当時権力を持っていた貴族や僧に対して、議会の承認なしに課税することや

身体の自由を奪うことを禁止すると定められていました。

世界で初めて人権という考え方が生まれたと文章だと言われています。

 

1688年には、議会が王様を変える「名誉革命」が発生。

翌年の1689年には「権利の章典」が作られ、国王の権利の独占が

大きく制限されるきっかけとなります。

 

このように絶対王政の世の中から、徐々に人権を考慮した

世の中へと変化していきました。

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3人の思想家が登場!

さまざまな人権が考えられるようになった中で、

17世紀から18世紀にかけて、3人の思想家が登場します。

 

3人の著作とその人権の考え方を簡単に見ていきましょう。

 

ロック「市民政府二論」

ロックはイギリスの思想家です。

「市民政府二論」という書物の中で人権について書いています。

ロックは「市民政府二論」の中で、2つの人権についての大事な考え方を説きました。

●人間はすべて平等であり、生命、自由および財産は生まれながらの権利をもつこと

→ 人はみんな平等!生きること(=生命)、自由に生きること、財産を持つことは生まれながらにしてみんな持っている権利なんだよ!

●国家はそうした権利を守るためにあり、これを阻害する場合は市民は反抗権をもち、支配者を交代できること

→ 国家はこれらの権利を守るためにあって、決して邪魔しちゃいけないんだよ! もし邪魔された時は人々は反抗する権利があって、王様を変えられるよ!

これらのことをまとめたロックの「市民政府二論」はその後の思想家にも影響を与えていきます。

 

覚えておこう!

ロック(イギリス)は、「市民政府二論」で基本的人権の考え方を唱えた。

ルソー「社会契約論」

ルソーはフランスの思想家です。

「社会契約論」という書物の中で、国家のあり方を説きます。

●人は生まれながらにして生命や自由や財産の権利を持っており、国家を作り、それぞれの権利を国家に守ってもらうことを約束(=契約)している。

国家は人々が生まれながらにして持っている権利を守るために存在しており、

国家が権力を持っているのは人々が権利を守るためにお願いしているからだと説明します。

 

それまで、王様の権利は神様から授けられたものだと考えられていました。

このように神様から王様としての権利を授けられることを、「王権神授説」と言います。

ルソーは王様=国家の権力は神様からではなく、人々から与えられると考えたのです。

このように人々から王様としての権利を授けられることを、「人民主権」と言います。

この「王権神授説」と「人民主権」を対比させて、「人民主権」の方がいいよね、

としたのが、ルソーの考え方です。

 

覚えておこう!

ルソー(フランス)は、「社会契約論」で人民主権を唱えた。

 

モンテスキュー「法の精神」

モンテスキューはフランスの思想家です。

「法の精神」という書物の中で、権利の分散について説いています。

●立法、司法、行政の三権を別々に分離すべき

立法とは、法律を作ること。

司法とは、法律で人々を裁くこと。

行政とは、法律を使って政治をすること。

これらが一つの権力(=王様)のとこにあっては悪いことをし放題だから、

バラバラにしないといけないよね、としたのが、モンテスキューの考え方です。

 

このように権力を分散させることを「三権分立」と呼びます。

 

覚えておこう!

モンテスキューは、「法の精神」で三権分立を唱えた。

どのように社会が変わっていったのか

このように王様絶対の世の中を変えようと様々な考え方が生まれていきました。

これらの考え方が普及したことによって、様々な「革命」が起きていきます。

絶対王政の世の中から、人々の権利を守る人民主権の時代へと変化していくのです。

 

まとめ!

今回は人権の成り立ちに焦点を当ててみました。

ロック「市民政府二論」ルソー「社会契約論」モンテスキュー「法の精神」

有名な思想家とその著書は、名前を一致させるのが大変ですが、

きちんとしっかり覚えておきましょう!!

 

人権思想のまとめ

ロック…「市民政府二論」基本的人権を唱えた。

ルソー…「社会契約論」人民主権を唱えた。

モンテスキュー…「法の精神」三権分立を唱えた。

 

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