みなさんは、市場の仕組みや価格の決まり方を知っているかな?
私たちの社会では、お店の商品やサービスには価格がついているね。
では、ものの価格はどのようにして決まって、価格にはどんなはたらきがあるのかな?
今回は、市場経済や価格の決まり方をわかりやすく解説していくぞ。
市場とは?
まずは、「市場」という言葉を整理しておきます。
この字には、「いちば」と「しじょう」の2つの読み方があるよ。
「いちば」は、業者がものを売り買いするところ。
野菜、果物、魚などは「いちば」で取引され、せりによって価格が決まっていくよ。
「しじょう」は、もの・サービスが売り買いされるところ。
売り手と買い手の関係で価格がどんどん変化していくんだ。
株式の売買が行われる株式市場、世界の通貨を売買する外国為替市場などがあるよ。
市場経済とは?
ここでは、生産者の立場になって考えてみよう。
生産者からすると、商品をどのくらい生産すればいいかを考えなければならないね。
価格が高い商品は消費者が欲しがっているものだから多めに生産して、価格が安いものは消費者にとって十分足りているものだから少なめに生産しようとするでしょう。
でも、生産量を変えるためには、材料や労働力などの使い方を変える必要がでてきます。
価格が上がったり下がったりすることが合図になって、いろいろな資源の使われ方が調整されているんだ。
このように、市場を通して財やサービスが自由に売り買いされる仕組みを市場経済というよ。
現在、市場経済は、世界のほとんどの国で経済の基本的な仕組みになっているんだ。
価格とは?
どうして、財やサービスには価格がついているのかな?
できることなら、好きなものを欲しい分だけ手に入れられたらうれしいよね。
でも、これは現実的にはむずかしいね…
私たちが望んでいる量に比べると実際には、はるかに少ないのです。
だから、ものに価格をつけて、その価格で売りたいと思う人がものをつくり、その分のお金を払ってもいいと思う人が買っていく仕組みができあがったんだ。
需要と供給とは?
買いたい人が商品を買おうとすることを需要、売りたい人が商品を市場に出すことを供給というよ。
売り買いが自由にできる市場のなかで、需要と供給の関係で決まっていく価格を市場価格というんだ。
また、消費者が価格を見て買おうとする量を需要量、生産者が価格を見て売ろうとする量を供給量といいます。
需要量と供給量がつり合って、生産者も消費者も希望通りに取引できる価格を均衡価格というよ。
均衡価格は市場価格の1つだよ。
需要曲線と供給曲線とは?
価格の決まり方は図で理解することが大切だから、まずは図の見方と2つの曲線をしっかり確認しよう!
図の見方
図には横軸と縦軸、2つの曲線があるよ。
横軸は数量を表していて、右にいくほど数量が多くなります。
縦軸は価格を表していて、上にいくほど価格が高くなります。
需要量の動き
需要量と価格の関係を示したのが需要曲線。
買いたい量によって価格が変化していくんだ。
価格が高ければ需要が減り、価格が安ければ需要が増えるので、右下がりの曲線になるよ。
供給量の動き
供給量と価格の関係を示したのが供給曲線。
売りたい量によって価格が変化していくよ。
価格が高ければ供給量を増やし、安ければ供給を減らすので、右上がりの曲線になるんだ。
価格の決まり方は?
需要曲線と供給曲線を重ね合わせると1つの交点ができます。
交点は常に変化していて、需要量と供給量が調整されて、最終的にピタッと一致するよ。
この需要量と供給量が一致した交点で価格が決まり、この価格のことを均衡価格というんだ。
需要曲線や供給曲線が変化すると、価格が上がったり下がったりするよ。
均衡価格が決まる4つのパターンをしっかりおさえよう!
【需要量が増えたら】
需要量が増えると、需要曲線は右に動いて、均衡価格は上がるよ。
需要量が増える理由は、収入の増加、人口の増加、商品の人気が高まることなど。
【需要量が減ったら】
需要量が減ると、需要曲線は左に動いて、均衡価格は下がるよ。
需要量が減る理由は、収入の減少、商品の人気が無くなることなど。
【供給量が増えたら】
供給量が増えると、供給曲線が右に動いて、均衡価格は下がるよ。
供給量が増える理由は、原材料の価格が安くなる、労働賃金が下がることなど。
【供給量が減ったら】
供給量が減ると、供給曲線が左に動いて、均衡価格は上がるよ。
供給量が減る理由は、天候不順で野菜が不作になる、工場が生産を中止することなど。
需要量=供給量 | … | 均衡価格 |
需要量<供給量 | → | 価格は下がる |
需要量>供給量 | → | 価格は上がる |
市場経済まとめ!
市場経済の仕組みや価格の決まり方について解説してきました。
特に、均衡価格が決まる4つのパターンは図でよく確認しておこう。
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