アメリカ合衆国の中央部にはグレートプレーンズとプレーリーと呼ばれる広大な草原地帯があります。
この2つの草原地帯は隣り合わせで、南北に伸びているのですが…
どちらも言葉が似ていて判断がつきにくい(^^;)
どんな違いがあるの?
位置関係はどうなっているの?
今回の記事では、グレートプレーンズとプレーリーについて
それぞれの気候や農業と関連付けて、わかりやすく解説していくよ。
グレートプレーンズとプレーリーはどこにある?
アメリカ合衆国のロッキー山脈から東へ向かって流れだした川と、アパラチア山脈から西へ向かって流れだした川はミシシッピ川へ合流します。
このミシシッピ川の流域を広い意味で中央平原と言いますが、
その中でもロッキー山脈の東側山麓の草原地帯がグレートプレーンズ、その東側の草原地帯がプレーリーです。
ちなみに、プレーリーの東側のより標高の低い平原が狭い意味の中央平原です。
2つの草原地帯の大まかな境界は、西経100度の経線のあたりで、
西側がグレートプレーンズ、東側がプレーリーだ。
この位置関係をしっかり覚えておこう。
グレートプレーンズとプレーリーはどこが違う?
西経100度の経線は、年降水量500mmの線とほぼ一致します。
この線の東側(プレーリー)が雨の多い温帯湿潤気候(北の方は冷帯)
西側(グレートプレーンズ)が雨の少ないステップ気候になります。
この気候の違いによって、草原の背丈にも違いが生まれます。
雨の少ないステップ気候のグレートプレーンズでは、草原(ステップ)は背丈の低い草原。
雨の多い東側の湿潤地域のプレーリーでは、よく育ち、背丈の高い草原になっているんだ。
これが、グレートプレーンズとプレーリーの違いということになります。
すなわち、降水量の差、言いかえると気候区の違いが、そのまま2つの草原の違いを生み出したわけなんだ。
背丈の低いほうがグレートプレーンズで西側
背丈の高い方がプレーリーで東側
その境界が西経100度!
グレートプレーンズとプレーリーの農業との関連
年降水量500mmを少し上回る地域は小麦の栽培に適し、下回る地域でも、灌漑(かんがい)によって小麦が栽培されています。
というわけで
年降水量500mmの線の東側に位置しているプレーリーやグレートプレーンズの東部では、冬小麦や春小麦の小麦地帯が広がっています。
また、この2つの小麦地帯の間にはトウモロコシ地帯も広がっています。
プレーリーやグレートプレーンズでは
草原の草が「枯れては埋もれ」をくり返した結果
腐植と呼ばれる栄養分の多い、黒色土が多く分布しています。
このことも小麦栽培に適した条件になっているってことだね。
より雨の少ないグレートプレーンズの西部は、草原を利用した放牧地帯や、柵で囲まれた肥育場(フィードロットと呼ばれます。)が広がり、肉牛が飼育されています。
この放牧地帯の一部でも、近年は、地下水をくみ上げることによって、灌漑(かんがい)農業が行われています。
グレートプレーンズの中に、大きな円形の畑が連続して並ぶ風景が一部で見られるんだけれど
グレートプレーンズでは
農地の中心から地下水を汲み上げ
化学肥料を混入した後
車輪のついた散水アームをとおして
コンパスで円を描くように水をまく
センターピボット式の
灌漑農業が行われている pic.twitter.com/Gr54CHRfF0— しのはらあおい (@aoibasket108) 2014年11月19日
これは、くみ上げた水を360度回転するスプリンクラーでまくために、畑も円形に丸くなるというわけだ。
大まかに見ると、ロッキー山麓のグレートプレーンズの西部は放牧地帯、
グレートプレーンズ東部とプレーリーの中心は小麦地帯ということになります。
グレートプレーンズとプレーリーの比較要点
グレートプレーンズ
- 年降水量500mm未満のステップ気候の背丈の低い草原
- 年降水量がより少ないグレートプレーンズ西部は放牧地帯中心(一部かんがい農業)
- 年降水量500mm前後以上のグレートプレーンズ東部は小麦地帯
プレーリー
- 年降水量500mm以上の温帯気候(一部冷帯)の背丈の高い草原
- 小麦地帯中心(一部トウモロコシ地帯)
それぞれの境界はほぼ西経100度=ほぼ年降水量500mm
以上のように気候の違いが2つの草原の違いに結びつくことを覚えておこう。
そして、それが農業の分布に影響していることも合わせて押さえるようにしよう。
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