みなさん、日本国憲法の三大原則を知っていますか?
三大原則とは「国民主権」、「平和主義」、「基本的人権の尊重」です。
この3つは何なのでしょうか?
今回は、日本国憲法の三大原則について詳しく解説していきます。
テストに出題されやすいところだからしっかり理解しましょう!
日本国憲法の三大原則
改めて、日本国憲法の三大原則は「国民主権」、「平和主義」、「基本的人権の尊重」です。
これらの三原則は、どのような過程でできあがったのか。
まずは、日本国憲法ができあがった流れを確認しておきましょう。
日本国憲法ができた流れ
- 1945年8月:日本はポツダム宣言を受け入れる
- 1945年10月:GHQ(連合国軍総司令部)は日本政府に憲法の改正を命じる
- 1946年2月:GHQが政府案を拒否
- GHQは、国民の象徴としての天皇制の維持、戦争の放棄、日本人は個人として尊重されること、などを盛り込んだ案を日本政府に示す
- 1946年3月:政府は再び改正案をつくり発表、GHQはこの新しい改正案を認める
- 1946年6月:改正案を議会に提出
- 1946年11月3日:公布(日本国憲法を国民に広く知らせる)
- 1947年5月3日:施行(日本国憲法の効力を発生させる)
こうして日本国憲法は完成しました。
それでは、日本国憲法で定められている三原則とは何か。
国民主権:主権が国民にあるということ
平和主義:平和を願い戦争を否定すること
基本的人権:すべての人が生まれながらにもつ人間として権利のこと
簡単に説明すると、上のようになるんだけど
それぞれについて詳しく確認していこう。
国民主権
まずは1つ目の原則、「国民主権」について理解していきましょう!
国民主権は、国民の幸福の実現を目指して行われる民主政治において、政治のあり方を最終的に決める権利が国民にあることです。
次は日本国憲法の前文です。
「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、…ここに主権(※1)が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託(※2)によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利(※3)は国民がこれを享受する。…」
※1 主権:国の政治のあり方を最終的に決定する権利
※2 信託:信用して任せること
※3 福利:幸福と利益
国の政治は国民から託されたもので、その権力は国民に由来し、国民の代表者だけが行使できるということです。
世論:政治に関心をもつ
国会:選挙で国会議員を選ぶ
地方自治:選挙で首長や議員を選ぶ
国民審査:最高裁判所裁判官を審査する
国民投票:憲法改正の是非を問う
こうして、国民主権は、国民がさまざまな方法で政治に参加することで実現していきます。
え…?
国民に主権があるのって普通じゃないの??
今の生活からは当たり前のように感じるけど
日本国憲法ができあがるまでは違ったんだよね
以前は、天皇が立法や行政などの統治権をもち、軍隊を直接指揮する権限がありました。
つまり、天皇が主権者として政治が進められていました。
これが日本国憲法では、主権は国民がもつものとされたのです。
では、今まで主権者とされていた天皇はどうなったと思う?
次は日本国憲法の第1条です。
第1条
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
日本国憲法では、天皇は政治に関する機能をまったくもたず、国家と国民の象徴であると位置づけられています。
天皇や皇族には戸籍や住民票、参政権がありません。
わたしたち一般国民と天皇には大きな違いがあります。
このように、日本国憲法によって国民主権に変わり
天皇は国民の象徴であるとされ、国事行為のみを行うこととなったのです。
平和主義
次に2つ目の原則、「平和主義」について理解していきましょう!
平和主義は、永久な平和を願い、武力による争いを否定する立場のことです。
次は日本国憲法の第9条です。
これは重要な条文なので、余裕がある人は暗記しましょう!
第9条
① 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争(※1)と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力(※2)は、これを保持しない。国の交戦権(※3)は、これを認めない。
※1 国権の発動たる戦争:国家の主権が発動し、宣戦布告によって起こる戦争
※2 戦力:戦争のために人的・物的に組織された総合的なもの
※3 交戦権:戦争をする権利
この第9条で、戦争の放棄を示したうえで、戦力をもたないこと、国の交戦権を認めないことを定め、平和主義を宣言しました。
日本は、第二次世界大戦などの戦争への反省と、原子爆弾の被害を受けたことから、永遠の平和を願い、平和を愛する国民に信頼して安全と生存を決意しました。
また、平和のために、「非核三原則」を政策としてかかげました。
非核三原則は核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませず
これを述べた佐藤栄作は、ノーベル平和賞を受賞しました。
では、日本の平和はどのようにして守られているのでしょうか?
それは「自衛隊」の存在です。
自衛隊は、日本の平和と独立を守り安全を保つ目的として、自衛のための必要最小限度の実力をもつものとされました。
自衛隊には、防衛出動、国際協力、災害時の人命救助などの役割があります。
自衛隊に関して学習するとき
「集団的自衛権」について知っておくことも大切です。
集団的自衛権とは、同盟関係にある国が攻撃を受けたときに、自国が攻撃を受けなくても防衛活動に参加できる権利のことをいいます。
例えば
日本とアメリカは日米安保条約を結んでいる。
そんなアメリカが他の国から攻撃された場合
仲間がピンチなんだから、助けに行くぞ!
ってことができるという権利です。
日本は、集団的自衛権を持ってはいますが、憲法第9条のもとでは行使できないとされてきました。
ですが、憲法の解釈を改め、安全保障関連法が施行されたことにより
現在では、日本でも集団的自衛権を行使することが可能となっています。
基本的人権の尊重
最後に3つ目の原則、「基本的人権の尊重」について理解していきましょう!
基本的人権は、すべての人が生まれながらにもつ人間としての権利のことで、人種、身分、性別などで区別されません。
次は日本国憲法の第11条と第13条です。
第11条
国民は、すべての基本的人権の享有(※)を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」
第13条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」
※ 享有:生まれながらにもっていること
基本的人権は、すべての人が生まれながらにもつ権利で、国から与えられるものではありません。
一人一人をかけがえのない存在であるとして尊重し、生き方を大切にする個人の尊厳があります。
そこから、平等権、自由権、社会権、人権を守るための権利など、憲法で保障された権利が生まれました。
わたしたちの生活は、日本国憲法によってさまざまな権利が認められています。
日本国憲法の三大原則まとめ!
日本国憲法の三大原則は理解できましたか?
国民主権、平和主義、基本的人権の尊重の性質をしっかり理解しましょう!
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