【中学地理】人口ピラミッドの種類と特徴を解説!

地理の学習をしていると、人口ピラミッドという言葉が出てきます。

 

人口ピラミッドって何だ?

色々な形があるみたいだけれど、なぜ、形がちがうんだ?

 

このような疑問を持っている人がいるかもしれないね。

今回は、この人口ピラミッドについて

まず描き方の説明からはじめて、その見方を解説するよ!

次に、人口ピラミッドは主に3つの型があるけれど、その名称や特徴のちがいを説明します。

 

そして、その型は国によってちがってくるので、どんな国がどのような型の人口ピラミッドになるかを、例をあげながら説明していきます。

実は、ここが一番大事な所なので、しっかり理解するようにしよう!

 

それでは、人口ピラミッドについて、その型とそれぞれどのような特徴があるのか、しっかり学習していこう。

人口ピラミッドの描き方と見方

人口ピラミッドとは、ある国や地域の人口を男女に分けて、年齢階層別の人口を全体の人口に対する比率でグラフに描いたものです。

グラフは縦軸に年齢を通常は5歳刻みで区切っていき、横軸は左に男性、右に女性の総人口に対する割合の目盛りを刻みます。

そして、年齢階層ごとに中央から左右へ棒グラフを描いていきます。

この棒グラフの左右の端を結んだ線の形で人口ピラミッドの型が決まるわけです。

 

昔はどの国も、年による出生数に大きな差はありませんでした。

普通に考えると年齢が上がる程人口が少なくなり、グラフは上になる程、横幅がせまくなる傾向にあったので、ピラミッドのような形になり人口ピラミッドと呼ばれたんだ。

 

しかし、医療や衛生面が進歩した国では、乳児や子供の死亡率が大きく減少したので、ある年齢層まではほとんどその人口比率が変わらなくなりました。

すなわち、グラフの形が底辺の横軸からほぼまっすぐ上の方向に伸びるようになるんだね。

人口ピラミッドの見方として、このことをしっかり押さえておこう!

 

そして、高齢者の年齢層では死亡率が高くなって棒グラフの横幅が狭くなっていくのが一般的です。

なお、高齢者層では女性の方が男性より平均寿命が長いので、女性の比率が男性を上回っています。

 

なお、年齢階層のおおまかな区分として、15歳未満を年少人口、15歳~64歳を生産年齢人口、65歳以上を老年人口という分け方があり、老年人口の割合が7%を超えると高齢化社会と呼ばれます。

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人口ピラミッドの種類

富士山型の人口ピラミッド

本来の人口ピラミッドに最も似た形をしているのが富士山型です。

アフリカなど多くの発展途上国に見られます。

 

子供は労働力であるという考えが浸透しているため出生率が高く、医療や衛生面でも先進国程は発展していないので、年齢が上がるほど人口比率が低下していきます。

そのため、人口ピラミッドを描くとピラミッドに似た富士山型になるんだ。

 

しかし、工業が発達して経済の発展してきた国では、人口ピラミッドも先進国に近づいて形が変わっていきます。

つりがね型の人口ピラミッド

アメリカやヨーロッパ諸国など多くの先進国に見られるのが、つりがね型の人口ピラミッドです。

 

出生率が低くなり、医療が普及しているので、高齢者の年齢層以外はあまり人口比率が変わりません。

そのため、富士山型のような傾斜がなくなっていくんだ。

 

年少人口や生産年齢人口の年齢層では、グラフの端がまっすぐ上に伸びていきます。

 

そして、老年人口の年齢層で傾斜が出てきて、全体としてつりがねのような形になるわけだ。

つぼ型の人口ピラミッド

先進国の中でも、出生率が非常に低下した国で見られるのが、つぼ型の人口ピラミッドです。

子供の数が少なく、グラフ下方の年少人口の年齢層がすぼむ形になります。

 

このつぼ型の人口ピラミッドになる国は、出生率よりも高齢者を中心にした死亡率の方が上回って、人口が減少していくんだ。

例としては、日本やドイツが該当します。

 

色々な形の人口ピラミッド

国ごとの人口ピラミッドは、基本的にこれまでに説明した3つの型がありますが、一般的には出生率が低下するのにともなって、富士山型からつりがね型、さらにはつぼ型へと変化していきます。

 

ただ、発展途上国が経済発展をとげて先進国へ近づいている場合など、国の変化の過程で人口ピラミッドの型も変化していくので、その途中段階には色々な形の人口ピラミッドが見られることになります。

 

また、市町村など狭い地域での人口ピラミッドを描いた場合も、色々な形が出現します。

 

例えば、過疎化が進んでいる町の場合はどんな形になるかわかるかな?

 

年少人口の比率が極端に少なくなり、高齢者の比率が高いので、人口ピラミッドは下の方がすぼんで、上の方が横幅が広くなるんだ。

 

日本の人口ピラミッドの変遷

つぼ型の人口ピラミッドの説明で、例として現在の日本をあげました。

 

しかし、日本も第二次大戦前までは出生率も高く、現在ほど平均寿命は高くなかったので、人口ピラミッドは富士山型だったんだ。

 

戦後、高度経済成長をとげて生活水準が上がったため、1960年代からは高い生活水準を維持するため出生率が下がりはじめました。

その結果、やがて人口ピラミッドの形もつりがね型に移行したわけなんだ。

 

現在では出生率がさらに下がり、少子高齢社会と呼ばれています。そのため、人口ピラミッドもつぼ型に変わってしまい、人口の減少がはじまっています。

 

日本の人口問題を考える場合、出生率を上げる必要があると言われていますが、そのためには、子供がいても働けるような環境整備も必要になってきます。

一方、世界でも有数の高齢化社会になっているため、社会福祉の充実といった課題もあります。

人口ピラミッドの種類、特徴まとめ!

それでは、最後に人口ピラミッドの型についてまとめておきましょう。

 

人口ピラミッドの種類と特徴まとめ!

  • 国の経済発展と出生率の低下により、富士山型⇒つりがね型⇒つぼ型の順に変化
  • 発展途上国は出生率が高く富士山型
  • 先進国は出生率が低下し、医療も進歩してつりがね型
  • 先進国の一部では、さらに出生率が低下してつぼ型
  • つぼ型になると人口減少がはじまる
  • 過疎化が進んでいる地域の人口ピラミッドは上の方が幅が広い
  • 日本も第二次大戦前は富士山型

 

 

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